角膜内皮をご存知ですか?
角膜(黒目の表面をおおう組織)は、眼でものを見るために非常に重要な組織です。
透明で、滑らかであるため、光が眼の中に正しく導かれるのです。
角膜が透明性を失い、濁ってしまうことは、視力の低下に直結します。
この場合、光を通路が濁るわけですから、眼鏡などによっても
視力を回復させることは出来ません。
唯一の治療方は、透明な角膜を移植することです。(角膜移植)
角膜はどのようにして透明性を維持しているのか?
角膜の裏側は、内皮細胞という1層の細胞で覆われています。
この細胞は、角膜内に染み込んでくる水を汲み出す働きをしています。
角膜内皮細胞が常に水分を角膜内から汲み出しているので、
角膜は透明性を維持できるのです。
角膜に水が溜まれば、浮腫を起こし、濁ってしまいます。
角膜内皮細胞について
この細胞は、人が生まれてから死ぬまで、数が増えることはありません。
年齢とともに少しづつ減少していきます。
眼に負担を与えると、細胞の減少はよりひどくなります。
- コンタクトレンズの装用
特にソフト・コンタクトレンズ、
酸素を通さないハード・レンズは負担になります。
- 外傷
- 白内障手術
など
コンタクトレンズの不適切な使用法は、角膜内皮を減少させます
- 長時間の装用を避ける
1日の装用時間を適切に
- 長期間の装用を避ける
若年者の装用は、あまりお勧めできません
- 酸素透過性の良いレンズの使用
酸素透過性ハードコンタクトレンズ
使い捨てソフトコンタクトレンズ
- 汚れた古いレンズは早めに交換する。
ほぼ正常の角膜内皮
36歳(検査時)男性。
実はわたしの眼です。
37歳女性。ソフトコンタクトレンズ長期装用。
角膜内皮が減少し、角膜裏面をすべておおうために
一つ一つの細胞が大きくなっています。